北欧モダン住宅(11)

北欧モダン住宅(11)

前回はRC造(鉄筋コンクリート造)についてでしたが、今回はS造(鉄骨造)のお話

S造は、住宅や店舗など小規模なものから、超高層ビルまで、広く採用されている構造です。RC造に比べて軽いことと、構造計算に合わせて材料(鉄骨)を製造できるので、高層建築や大空間建築に向いている。

錆が出ないように気を付けてメンテナンスしていけば、耐久性は高い。エッフェル塔は鉄骨剥き出しで既に築造後100年以上になる。

地震による変形は大きいが、鉄の粘り強さによって、揺れながら耐える構造です。

遮音性や気密性、断熱性は外皮の仕上げ方によって、構造に関係なく良くも悪くもできますが、鉄の熱伝導率が高いため、熱橋(ヒートブリッジ)による内部結露が問題になる場合があるので、外張り断熱などの対策が必要になる。

柱と梁のシンプルなラーメン構造なので、内部の間仕切りなどは比較的自由にできる。

と、ここまでがS造のだいたいのメリット。

デメリットとしては、あまり知られていないかもしれませんが、火事に弱い事。弱いと言い切るには語弊があるかもしれませんが、火災発生から倒壊までの時間は木造より鉄骨造のほうが早く、避難時間を稼げないのです。理由は、熱による鉄の変形温度が低いためで、500~600℃から“ぐにゃり”と変形して建物は倒壊してしまうからです。(因みに火災による燃焼温度は1000℃以上)木は着火温度こそ低いものの、表面から徐々に炭化が進んでいくため、倒壊するまでは時間が稼げるのです。

そしてコストが高い事。RC造に比べれば安価にできるが、一般的に木造と比べたら1.2~1.5倍はコストアップになると言われます。

トータルして考えてみると、高層ビルや大ホールなど、鉄骨でしかできない建築物には鉄骨造が良いが、住宅など小規模建築で鉄骨造を選択する理由が私には見つけられない。大空間を容易に実現できる所は魅力だが、住宅規模の大空間ならSE構法で無理なく可能で、コストも安くできる。

価格が安いというだけで木造在来工法は選択したくない。ファジーな壁量計算だけで、安全の根拠は建築基準法のみというのは無責任で、それだったら、構造計算で安全を確認する鉄骨造のほうが安心だと思います。とは言え、これもSE構法で構造計算して安全を確認するので、鉄骨造より安くて安心な住宅を手に入れることができます。

単純な「費用対効果」で、安全安心は最低限必要な性能と考えて、最もお値打ちな構造が「SE構法」なんですよね(*^^)v

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