先日テレビや新聞でご覧になった方も多いと思いますが、名古屋市が南海トラフ地震について、衝撃的な被害想定を発表しました。
死者数約6,700人の内、建物倒壊による死者数が約2,100人、津波による死者数が約4,400人、火災による死者数が約300人
津波による死者数約4,400人の内、約2,400人は、建物の倒壊や家具の転倒などで自力による脱出が困難になり命を落とすというもの。
この数字を見ても、建物の耐震化や、家具の転倒、落下防止対策がいかに重要かが解る。
想定を見込んだ名古屋市発表の防災対策の一部は次のもの
建物の現状耐震化率が約84%で。このうち木造住宅に限っては約61%とさらに低いが、上記の対策を達成することで、下記のような成果が得られると試算しています。
今から新築で家を建てようと考えている方は、現状の耐震基準で建てられるため「どこでどんな家を建てても安全。」と思っていないでしょうか?
SE構法専門店として、住宅の耐震について真剣に考えている弊社としての答えは“NO!”です。
今現在の建築基準法でも、木造2階建て以下の住宅は構造計算を義務付けていないため、ほとんどの住宅は「壁量計算」という簡易なチェックだけで確認申請は通り、そのまま建てられます。
その壁量計算で基準を満たす建物を構造計算してみると、耐震強度不足になる場合も多く、最大4割程度強度が不足するという構造専門家もいます。
それくらい曖昧な基準でしかないのが、2014年現在の建築基準法なのです。
木造の良い所は今までもこれからも大切にしながら、構造性能は悪しき慣習を払拭していかなければ、本当の意味の「安全・安心な家づくり」はできないと考えます。