北欧モダン住宅(16)

北欧モダン住宅(16)

VELUX-GGL-bedroomトップライト(天窓)は北欧の住宅でも良く使われているそうです。小さな面積でも最大限の採光を得られるトップライトは、北欧の暗く長い冬季をできるだけ明るく過ごすためには最適の建材だったのでしょう。壁の窓とトップライトを比べると、約3倍トップライトのほうが明るく、建築基準法の採光計算でも3倍の係数が認められます。

つまり、同じ明るさを得るための窓面積がトップライトなら1/3で良い計算になります。

家の断熱を考えたとき、最も熱損失の大きい部分はどこでもない“窓”なので、明るさを変えずに窓面積を減らすことはエコでもあります。

エコと言えば、家の中の通風で体感温度を下げて、冷房負荷を減らすのにも、トップライトは役立ちます。

自然に吹く風を利用して通風する場合には、風上側にある窓を開け、それ以外の風が抜ける場所の窓を開ければ通風できますが、屋外が無風の時には効果が少なくなります。そんな時は家のできるだけ下のほうにある窓を開け、同時にできるだけ上のほうにある窓を開けることで、空気の熱対流を利用した通風ができます。

前者の自然風を利用した通風を期待する場合の設計では、風上側に窓を取り付けるのが必須ですが、例えば名古屋の場合、夏場の風向は、ほぼ南南東が風上になるので、昼間に暑い南側から吸気することになってしまいます。これを、後者の熱対流を利用した通風なら、日陰で涼しい北側の空気を取り込むことも可能になってきます。

熱対流は、温まった空気が上昇することで起こる現象ですが、空気の入り口と出口の高低差が大きいほど、その効果は高くなります。

トップライトは家の一番高い所にある開口部なので、最も効率よく通風できる窓なんです。

夏の日射が暑いから、とか、雨漏りが心配とか、未だに古いイメージにとらわれて敬遠される場合も多いですが、直射日光が入らない北面の屋根に取り付けたり、スクリーンを付けることで厚さは抑えられるし、最近のトップライトは商品性能も良くなって、雨漏りなどしませんよ(^^)

・長くなりましたが、次回もトップライトの話がつづきます<m(_ _)m>

velux logo ※画像は日本ベルックス株式会社のWEBページより転載しています。

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