北欧モダン住宅(15)

住宅の屋根の役割は、当たり前ですが、雨風から家を守ることです。その他には、建物の外観、デザインに大きく影響します。最近の屋根の用途としてのトレンドはやはり太陽光発電システムでしょうか。私もお客様には、太陽光発電システムの採用を強く推奨する一人ですが、太陽光のお話は後日ゆっくりするとして、今回は屋根を床として使うお話をしたいと思います。

okujyou(防水メーカーの画像を勝手に使っています。転載不可の場合は削除しますのでご連絡ください。)

例えば、狭小地で地面に庭ができないとか、地面に庭を作っても日当たりが悪くて意味がないとか、毎年近所で花火大会があるから友達を呼んでみんなで見たいなど、屋上を有効利用することで、生活が豊かになると思うんです。身近なところでは、洗濯物の物干し場にしても良いですよね。手すりを高くして目隠しにして、浴室から直接出られる庭とか、夏だったらとても気持ち良さそう。

と、考えだしたらきりがないくらい、いろんな使い道が想像できます。

ただ、注意しないといけないのは、防水をしっかりすること、特に仕上げ材を敷いたり、芝生などで緑化すると、防水層のメンテナンスをしづらくなるので、そういう事も考慮して検討する必要があります。

もう一つ大切な注意事項として、構造計算で屋上の荷重をしっかり検討に入れること、自重に対する検討もそうですが、建物の最上部が重くなれば、それだけ地震による振幅も大きくなってきます。人が何人も乗ることになるし、屋上緑化の場合は土がかなり重くなります。緑化までいかなくても、プランターで植栽や家庭菜園をする程度でも、屋根だけの荷重とはまったく違うものになります。SE構法ならもちろんその荷重も含めて構造計算できるので安心です。鉄骨造や鉄筋コンクリート造でもちょっと費用が高くなるかもしれませんが、構造計算するので安心と言えます。

心配なのは木造在来工法の場合です。在来工法では、壁量計算という簡易的な検討をするわけですが、壁量計算の規定で屋根の荷重は「重い屋根」か「軽い屋根」かを選ぶだけ、「重い屋根」といっても、瓦葺は重い屋根、という程度の簡単なものしかない為、実際の重さに対する検討はできません。木造在来工法で大きなルーフバルコニーや人が乗れる屋上を考えている方は良く考えてほしいと思います。

せっかく自宅だけの特別なスペースを作っても、それが原因で地震に弱い家になってしまったら意味ないですから(^_-)

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